外貨換算会計 (2)

外貨換算会計の2回目である今回は、決算時の会計処理に関して見ていきます。

換算方法の原則として、貨幣項目は決算日の為替相場 (CR) により換算し、非貨幣項目は発生時の為替相場 (HR) により換算します

  • 貨幣項目→CR換算
  • 非貨幣項目→HR換算

ここで、貨幣項目と非貨幣項目はどのように定義付けられているのかを整理します。貨幣項目とは、法令や契約によって券面額、回収額、支払額が確定している金銭債権債務です。一方で非貨幣項目とは、貨幣項目以外の資産及び負債のことです。

  • 貨幣項目 : 通貨・預金、金銭債権債務、未収収益・未払費用等
  • 非貨幣項目 : 棚卸資産、固定資産、繰延資産、前渡金・前受金、前受収益・前払費用等

次に、換算差額の取り扱いに関して見ていきます。

一言で申しますと、為替差損益は「差額概念」です。外貨建金額を決算日の為替相場によりCR換算した金額と、CR換算前の帳簿価額 (円換算額) との差額を為替差損益勘定で処理することになります。

なお、ここで一つ補足なのですが、外貨建未収収益及び未払費用は、決算時において新たに見越計上するものなので、為替差損益は生じません。

今回は以上です。