WACCとは何か③

WACCとは何かの三回目、今回はCAPMに関して見ていきます。

CAPMとは、Capital Asset Pricing Modelの略であり、資本資産評価モデルと訳されます。

端的に申し上げると、CAPMとは「各企業のROEを、リスクフリーレートと市場ポートフォリオの収益率、β(市場ポートフォリオの収益率に対する個別株の感応度)のみによって一次関数として導出したもの」です。

Re:株主資本コスト

Rf1:現在のリスクフリーレート

β:リスク感応度

Rm-Rf2:マーケット・リスクプレミアム

と仮定すると、株主資本コストは以下の式で表現される。

Re=Rf1+β(Rm-Rf2)

 

ここで、CAPMは現代ポートフォリオ理論と言われる、投資家の資産選択に関する理論を背景としています。

リスクとは投資リターンの標準偏差のことであり、複数の銘柄に対して分散投資をすることにより、ある銘柄の値上がりと他の銘柄の値下がりが相殺されることになります。その結果、複数の銘柄からなるポートフォリオのリターンは、各々の収益率の加重平均となるのに対し、リスクは各々の標準偏差の加重平均より小さくなります。このことを、ポートフォリオの分散効果と呼びます。

現代ポートフォリオ理論によると、全ての銘柄に分散投資することを前提とし、さらに無リスク資産の存在を考慮する場合、投資家は唯一の効率的なポートフォリオであるマーケットポートフォリオを選択します。ここで、マーケットポートフォリオとは市場に流通する全証券を、各銘柄の時価の構成比が市場全体における時価の構成比と等しくなるように購入することによって作成される、言わば仮想的なポートフォリオのことを言います。

マーケットポートフォリオでは、銘柄固有のリスクは分散投資により減殺され、景気、金利、為替等の様々な銘柄に共通するリスク要因のみが投資家が直面するリスクとなります。ここで、前者のリスクをアンシステマティックリスク、後者のリスクをシステマティックリスクと言います。

以上の前提を置いた場合、個別銘柄の超過リターンは、これをマーケットポートフォリオへ組み入れる際の追加的なリスクとして測定でき、これはマーケットポートフォリオの超過リターンであるマーケット・リスクプレミアムと、マーケット・リスクプレミアムに対する個別銘柄の感応度であるβを掛け合わせることにより導出されます。

 

今回は以上です。