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仲介業者の取り分

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26513790U8A200C1MM8000/

上記記事にZOZOの取り分が30%とあり、思いのほか多かったので驚いた。

今回は、仲介業者の取り分に関して見ていく。

1.保険代理店

一般的に、年間支払い保険料の50%弱程度が、保険会社から保険代理店に対してキャッシュバックされる。しかし、これは契約から2年程度のみであり、3年目以降は解約防止の目的で、キャッシュバック率は10%未満まで下がるのが通常である。

つまり、販売側すると、契約から3年目程で解約させ、別の商品を新規契約してもらった方が儲かるのである。

当方が依然契約していた保険は、毎月の保険料が1万円前後であった。すると、2年間で12万円前後が、保険代理店の販売手数料となる。

キャッシュバック率は上述した生命保険が50%程度と最も高い。火災保険は30%前後、自動車保険は20%前後である。保険のCMで「見直しませんか?」という内容のものをよく見たり、生保販売員から契約内容見直しの提案をよく受けるのも納得である。

 

2.百貨店

百貨店の収入方式は、「消化仕入れ方式」から「家賃方式」に移行してきている。

「消化仕入れ方式」とは、百貨店がテナント企業に対して売り場を提供し、売上が計上されたと同時に仕入を計上する方式のこと。小売業者は在庫リスクを抱えずに済む一方で、小売業者の販売利益率は通常の買取仕入と比較すると低くなる。

最近は百貨店の歩率は30%前後であり、百貨店全盛期の頃の40%強と比較すると低下してきているのが分かる。例えば、百貨店で10万円のスーツを購入したとする。歩率を30%とすると、百貨店の手数料収入は3万円となり、テナント企業の売上は7万円となる。そこからさらに70%程度の粗利益を控除した2万円程度が仕入原価となる。近年のテナント企業売上の不振により、百貨店はより安定して収益を獲得できる「家賃方式」へと移行してきている。

 

3.中古本

さて、上記2では百貨店業界に関して見たが、その売上を奪っているのがオンラインショッピング市場である。中でもAmazonによる市場開拓力は凄まじい。

例えば、オンラインでの中古本市場の開拓である。Amazonで本を購入すると、新品商品より高い値付けがされている中古本を発見することがある。これは、人気が出ると思われる新作の品切れを見込んで、「人気があるから新作より高いこのくらいの値段でも買ってくれるだろう」ということで付けられている。専門書やマニアの間で人気の商品だと、新作の商品の3倍の価格で中古商品が売られていることもある。

一方で、1円で売られている中古商品を目にすることもある。Amazonで新作で購入する場合、基本的に送料は無料であるが、中古本の場合は257円(税込)の送料がかかる。売価1円、クロネコメール便(送料:82円)と仮定すると、1円+257円=258円が売上となる。そこから送料82円、仕入れ値10円、カテゴリー成約料60円を引いた106円が中古本業者の粗利となる。

 

今回は以上です。